Skip to main content
カンハーパヤータ・ジャータカ
547のジャータカ
453

カンハーパヤータ・ジャータカ

Buddha24Dasakanipāta
音声で聴く
かつて、栄華を極めたバラナシ国に、クシャ王という徳高い王がおられた。王は十種王法を遵守し、誠実に王位を治め、妃を深く愛し、民を慈しまれた。王には二人の愛する妃がおられた。一人はパパーヴァティー妃、もう一人はカンハー妃であった。 ある日、パパーヴァティー妃は懐妊され、美しい王子の御子を産まれた。王は大変喜び、その御子に「シリパパー」と名付けられた。一方、カンハー妃もまた懐妊されていたが、まだ御子は産まれていなかった。 王はシリパパー王子が成長するにつれて、その美しさと賢さにますます心を奪われていった。しかし、王の寵愛がシリパパー王子にばかり注がれることを、カンハー妃は深く憂慮していた。王の寵愛が自分から離れていくことを恐れ、王の心を繋ぎ止めるために、ある邪悪な考えを抱くようになった。 カンハー妃は、王にシリパパー王子が不吉な存在であると吹き込むようになった。王子が生まれる前に、王の夢の中に現れた鳥が、王に不吉な予言をしたと嘘をついた。そして、その鳥は王子の誕生を告げたのだと、王に語りかけた。王は妃の言葉を信じ、次第に王子に対して不信感を抱くようになった。 王は、妃の言葉に惑わされ、王子を世継ぎとしては相応しくないと考えるようになった。そして、王は王子を遠い土地へ追放することを決意した。王の命令により、シリパパー王子は国を追われることとなった。王子の心は悲しみで満たされたが、王の命令には逆らえず、涙ながらに王宮を後にした。 王子は旅の途中、多くの困難に直面したが、その度に知恵と勇気をもって乗り越えていった。そして、ある日、王子は偶然にも、かつて王が寵愛していた美しい女性に出会った。その女性は、王がカンハー妃に騙されていることを知り、王子に真実を教えた。王はカンハー妃の嘘によって、自分の息子を誤解していたのだ。 王子は真実を知り、故郷であるバラナシ国へと戻る決意を固めた。王宮に到着した王子は、王にカンハー妃の嘘を暴き、自分の潔白を証明した。王は妃の言葉に惑わされていた自分を深く恥じ、王子に許しを請うた。そして、王はカンハー妃の悪行を罰し、王子を正式な世継ぎとして指名した。 その後、クシャ王は王子と共に国を正しく治め、バラナシ国は平和と繁栄を取り戻した。王は、誤った判断がいかに悲劇を生むかを深く悟り、二度とこのような過ちを繰り返さないと誓った。 この物語の教訓は、人の言葉を鵜呑みにせず、真実を見極めることの重要性です。特に、権力を持つ者は、感情に流されず、冷静かつ公正な判断を下さなければなりません。また、嫉妬や悪意に満ちた言葉は、人間関係を破壊し、多くの悲劇を生む原因となることを示しています。

— In-Article Ad —

💡教訓

慈悲の心と他者の命を救うことは、偉大な功徳となり、良い変化をもたらします。

修行した波羅蜜: 慈悲の完成、憐れみの完成

— Ad Space (728x90) —

おすすめのジャータカ物語

倶留陀象品(くるだがしょうひん)
241Dukanipāta

倶留陀象品(くるだがしょうひん)

倶留陀象品(くるだがしょうひん) 遠い昔、バラモン教が盛んだった頃、サルナートの都では、一頭の賢くも美しい象が、王の寵愛を一身に受けていました。その象の名は倶留陀(くるだ)。倶留陀は、ただ力強いだけ...

💡 真の生計とは、身体を均衡のとれた状態に保つための生計であり、また、苦しみや輪廻転生から解放されるための心の生計でもある。

太陽光長者 (たいようこうちょうじゃ) の物語
217Dukanipāta

太陽光長者 (たいようこうちょうじゃ) の物語

太陽光長者 (たいようこうちょうじゃ) の物語 遠い昔、バラモン教が盛んだった国に、太陽光長者と呼ばれる大変裕福な商人がいました。彼の富は、その名の通り、太陽の光のように眩しく、尽きることがありませ...

💡 誠実さは統治において極めて重要であり、許しと改善の機会は、良い変化をもたらす可能性があります。

ソーナ・ナンダ物語 (Jātaka Tale #359)
359Pañcakanipāta

ソーナ・ナンダ物語 (Jātaka Tale #359)

ソーナ・ナンダ物語 (Jātaka Tale #359) 遠い昔、バラモンの都市であるベナレスに、ソーナという名の賢く、しかし貧しい若者が住んでいました。彼は貧しさゆえに、人生の苦しみから逃れる術も...

💡 純粋な知識と徳は、他者を危険から救い、社会の支えとなることができる。

摩訶薩多鉢陀羅国(まかさたはんだらこく) Jataka
354Pañcakanipāta

摩訶薩多鉢陀羅国(まかさたはんだらこく) Jataka

遠い昔、広大なる須弥山(しゅみせん)の麓にある広大な森に、摩訶薩多鉢陀羅(まかさたはんだら)という名の孔雀が住んでいました。その羽はエメラルドのように輝き、宝石のように美しく、堂々とした姿をしていまし...

💡 この物語は、真の慈悲とは、自らが最も大切にしているものでさえ、他者のために惜しみなく与えることができる精神であることを教えてくれます。また、どんな困難な状況にあっても、徳を失わず、忍耐強く生きることの重要性を示唆しています。

徳高き仙人、サマーダーワディー姫との因縁
502Pakiṇṇakanipāta

徳高き仙人、サマーダーワディー姫との因縁

遥か昔、静寂に包まれた森の奥深くに、質素な庵がありました。そこは、俗世との関わりを断ち、清らかな生活を送る一人の仙人の住まいでした。この仙人こそ、戒行(かいぎょう)を積むために修行を続けていた菩薩(ぼ...

💡 恐れを手放し、慈悲と勇気を持つことによって、真の強さを手に入れることができる。力任せではなく、知恵と慈悲をもって困難に立ち向かうことが、平和と繁栄をもたらす。

金色の白鳥の物語 (Suvarna-Hamsa Jataka)
457Ekādasanipāta

金色の白鳥の物語 (Suvarna-Hamsa Jataka)

金色の白鳥の物語 (Suvarna-Hamsa Jataka) 遥か昔、バラモン教の聖地であるカシ国の都、バラナシには、慈悲深く公正な王が治めていました。王は民を深く愛し、その統治は平和と繁栄に満ち...

💡 親孝行と恩返しは、恩人が誰であろうと大切です。

— Multiplex Ad —