Skip to main content
マハーバーラタ・ジャータカ
547のジャータカ
454

マハーバーラタ・ジャータカ

Buddha24Dasakanipāta
音声で聴く
遙か昔、バラナシ国に、菩薩は「マハーバーラタ王子」として転生された。彼はブラフマダッタ王の御子であり、その容姿は美しく、聡明で、徳に満ちておられた。幼い頃から十の王道徳を実践しておられたのである。 ブラフマダッタ王はマハーバーラタ王子を深く愛し、寵愛されていた。しかし、王宮には「デーヴァダッタ」(仮名)と呼ばれる、権力欲に満ち、嫉妬深い親族がいた。デーヴァダッタは、マハーバーラタ王子が自身の野望の障害になると考えていた。 デーヴァダッタは、王子の才能と民からの人気を妬み、王子を陥れようと企てた。彼は王に、王子が王位を狙っていると讒言し、王子の信用を失墜させようとした。 ある日、デーヴァダッタは王に、「王子は弓の名手であると聞きます。しかし、真の勇気を示すには、恐ろしい虎を一人で退治してみせるべきです」と進言した。王はこれを聞き入れ、王子に虎退治を命じた。 マハーバーラタ王子は、王命であるため、危険を顧みず、一人で森へ赴いた。森の奥深くで、王子は巨大な虎と対峙した。虎は唸り声をあげ、王子に襲いかかった。王子は冷静に弓を構え、矢を放った。しかし、虎は素早くかわし、王子の周りを駆け巡った。 王子は、単に腕力だけで虎を倒すのではなく、慈悲の心をもってこの状況を打開しようと考えた。彼は虎に向かって語りかけた。「おお、猛き虎よ。私は汝を害するつもりはない。しかし、王命により、ここに参った。もし汝が私を害するならば、私もやむを得ず反撃せねばならぬ。しかし、どうか争いを避け、共に生きる道を探ろうではないか。」 王子は、自身の体から血を少量取り、それを虎の餌として差し出した。虎は王子の慈悲の心に触れ、その恐るべき牙を収めた。虎は王子の前にひれ伏し、二度と人を襲わないことを誓った。 王子は虎を退治したという偽りの報告を王に伝え、無事宮殿へ戻った。デーヴァダッタは王子の帰還に驚き、さらに王子の慈悲深さと知恵に感服せざるを得なかった。 この出来事の後、デーヴァダッタは自身の悪意と嫉妬を深く反省し、二度と王子を陥れようとはしなかった。マハーバーラタ王子は、その徳と知恵をもって、将来賢明な王となり、民を幸福に導いたのである。 この物語は、外見的な力や武力だけが重要なのではなく、真の強さとは慈悲と知恵にあることを教えている。悪意や嫉妬は、結局は自身を滅ぼすことになる。善意と慈悲の心は、困難な状況をも乗り越え、調和を生み出す力となるのだ。

— In-Article Ad —

💡教訓

自己への執着を断ち、利己的でなく、他者への慈悲を持つことが真の幸福への道である。

修行した波羅蜜: 慈悲の徳、忍耐の徳

— Ad Space (728x90) —

おすすめのジャータカ物語

サッカパタジャータカ
503Pakiṇṇakanipāta

サッカパタジャータカ

サッカパタジャータカ(第503話) 遠い昔、インドのジャータカ国に、カシ王という名の偉大な王がいました。王は賢明で慈悲深く、民を愛し、国は平和で豊かでした。しかし、王には一つだけ悩みの種がありました...

💡 真の自由とは、制約から解放されることだけではなく、愛する人の傍にいること、そして帰る場所があることである。

無関心なる鶏の物語
499Pakiṇṇakanipāta

無関心なる鶏の物語

無関心なる鶏の物語 遠い昔、バラモン教の聖地として栄えるヴァーラーナシーの都の近くに、広大な森林がありました。その森の奥深く、苔むした岩や鬱蒼とした木々に囲まれた場所には、一本の古木がそびえ立ち、そ...

💡 布施と他者への援助は真の幸福をもたらし、財産を分かち合うことは現世と来世の両方での繁栄をもたらします。

孔雀菩薩の忍耐
495Pakiṇṇakanipāta

孔雀菩薩の忍耐

昔々、あるところに、それはそれは美しい孔雀がおりました。その孔雀は、花々が咲き乱れ、芳しい香りが辺り一面に漂う、壮麗な王宮の庭園に住んでおりました。その孔雀は、数ある孔雀の中でも最も見事な存在でした。...

💡 真の賢さは、機知に富むことだけでなく、その能力を、他者のために、善意をもって使うことにある。

菩薩、忍辱の王となる
514Vīsatinipāta

菩薩、忍辱の王となる

遠い昔、栄華を極めたマガダ国に、菩薩はマハーパンチャーラ王としてお生まれになった。王は正義をもって人民を統治し、十種の王法を遵守された。その国土は豊穣で、人民は安寧に暮らしていた。王には、美しく徳高い...

💡 過去の過ちを認め、それを償うための善行を積むこと、そして、心の底からの慈悲と寛容の心を持つことが、苦しみから解放され、真の幸福を得る道である。

シンガラ・ジャータカ
523Mahānipāta

シンガラ・ジャータカ

遥か昔、マガダ国ヴァイシャーリという町に、シンガラという名の裕福な長者がおりました。彼は数えきれないほどの財宝を所有していましたが、極めて吝嗇で、誰にも布施を施すことなく、貧しい人々が助けを求めてきて...

💡 真のリーダーシップとは、自己犠牲を厭わず、民のために最善を尽くすことである。困難に立ち向かう勇気と、他者を思いやる慈悲の心は、どんな脅威をも乗り越える力となる。

金色の白鳥の物語 (Suvarna-Hamsa Jataka)
457Ekādasanipāta

金色の白鳥の物語 (Suvarna-Hamsa Jataka)

金色の白鳥の物語 (Suvarna-Hamsa Jataka) 遥か昔、バラモン教の聖地であるカシ国の都、バラナシには、慈悲深く公正な王が治めていました。王は民を深く愛し、その統治は平和と繁栄に満ち...

💡 親孝行と恩返しは、恩人が誰であろうと大切です。

— Multiplex Ad —